惚れ薬
当たり前だ。


ここまできて引き下がるワケにはいかない。


「今日、もう1度チャレンジしてみる」


「うん。今日は体育の授業があるし、丁度いいと思う」


みんなが更衣室へ移動したタイミングなら、簡単に混入させることができる。


それに、体育の後なら水分補給もするだろう。


「今日は昨日倍の量を入れてみるつもり」


「そっか。それって体には害はないの?」


そう聞かれてあたしは返事に詰まってしまった。


正直、わからない。


けれど1滴じゃダメだったことは明らかなんだ。


「やってみればわかる」


あたしはそう返事をしたのだった。
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