惚れ薬
☆☆☆

惚れ薬が手の中からなくなっても、あたしのイライラは消えなかった。


遼太郎を呼び出し、宏樹から更にお金を請求した。


放課後にはこの前の50万円とわせて、100万円があたしの鞄の中に入っていた。


「買い物に行こう」


真弥を誘い、ショッピングモールへと向かう。


「あの薬あげちゃって、本当によかったの?」


2人で好きなだけ買い物をしている最中、真弥がそう聞いて来た。


「効果がない薬なんて、ゴミと一緒でしょ」


あたしはそう言い、ブランド物のバッグを出にとった。


30万円もする商品だけど、迷う事なくレジへ持って行った。


「でも、あれだけ残ってたんだよ? もっと沢山のシモベができたのに」


「あの薬がほしいなら、初美に貸してもらえば?」


「そう言う意味で言ったんじゃないけどさ」
< 185 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop