惚れ薬
眉の間に深くシワが刻まれている。


「なんであたしがあんたの電話にでなきゃいけないの?」


サキの言葉にあたしは唖然としてしまった。


口をポカンと開けてサキを見つめる。


「なに、その口の利き方!」


思わず大きな声で怒鳴ると、サキはますます眉間にシワを寄せた。


「はぁ? いきなりどうしたの?」


サキはそう言い、仲間たちと視線を合わせてクスクスと笑った。


「そういえば昨日はこれ買ってきたんだよねぇ」


サキは思い出したようにそう言い、ブランド物のペンケースを取り出して見せびらかし始めた。
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