監禁少女
あたしは男の背中を睨み付けてそう言った。


そうでもして引き止めないと、この後いつこの男が部屋にくるかわからなかったからだ。


本当は怖い。


体が小刻みに震えている。


けれど、男が立ち止まって振り向いた。


その目は相変わらず鋭い。


「あたしを売るつもり? 女子高生っていい商売になるの? ねぇ、教えてよこのド変態!」


そう怒鳴りつけると、男が体の向きを反転させてあたしに向き直った。


少しはこっちの言葉を気にかけたようで、内心ニヤリと笑う。


しかし次の瞬間、あたしは食べていなかった食パンを無理やり口にねじ込まれていた。


パンで口をふさがれ、声が出ない。


男はそのまま何も言わずに部屋を出たのだった。
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