監禁少女
千恵美が教室内で孤立するのは時間の問題だった。


さすがに少し辛そうな顔をしていたけれど、千恵美の変化はそれだけだった。


陰口をどれだけ言われても自分を崩さない千恵美。


そんな千恵美を見ていて、美世がついに我慢できなくなったのだ。


「あいつ、本当にムカつくよね」


ある日、あたしへ向けてそう言ったのだ。


2人のことはよく知っていたけれどクラスも違うし、返事に困っていた。


その時近くにいた音がすぐに返事をしたのだ。


「そうだよね。暗いし」


そう言って笑う音。


「だよね! 本当、消えてくれないかなぁ」


美世の言葉にあたしは驚いた。
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