監禁少女
顔を包帯でグルグルに巻かれている。


「美世!?」


「……スミレ……」


カラカラに乾いた声の美世にソクリと背中が寒くなった。


昨日まで普通だったのに、こんなにも変わってしまうのだ。


「美世、大丈夫?」


そう言って美世の隣まで移動したけれど、美世は視線を合わせてくれなかった。


昨日、あたしと音で美世を裏切ったからだろう。


「昨日はごめんね。でも、ああするしかなかったの。ほら、美世は学校でも女王様だったでしょ? だから少しはあたしたちの為に動いてほしくて」


早口で言い訳をしてみても、美世は無反応だ。
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