監禁少女
昨日壁を蹴っても返事がなかったことを思い出す。


あの時、音はすでに死んでいたのかもしれない。


1度だけあって来た返事、あれが音の最後の言葉だったんだ!


「昨日自殺した」


覆面男がそう言った。


自殺……!


音の家は資産家だ。


問題ごとなんて起こせば家ごと崩壊してしまうかもしれない。


音はそれを恐れたのかもしれなかった。


家に迷惑をかけるくらいなら、自殺を選ぶ。


こんな隔離空間で自殺をするなんて、音の決意は強かったのだろう。
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