監禁少女
あたしは覆面男がテーブルに食べ物を置いて出て行くのをぼんやりと見つめる。


こうして食事が与えられると言う事は、殺す気ではないのだろう。


あたしはしばらく横になっていたが、ゆっくりと上半身を起こした。


体中がズキズキと痛む。


体を引きずり、テーブルの前まで移動した。


さっきのパンには毒は入っていなかった。


今回もきっと大丈夫だろう。


そう思い、先に牛乳に手を付けた。


ストローを口にくわえて吸い込む。


数時間ぶりの水分に体がくらいついて行く。


コップの中の牛乳は瞬く間になくなってしまった。
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