監禁少女
口は塞がれていなかったから、もしかしたら声帯を奪われているかもしれないと恐れていたのだ。


「部屋の中にはテーブルと裸電球だけ。他にはなにもない。ドアは2つ。きっと、1つは外へ通じているドア。もう1つは……わからない」


あたしは状況を整理するため、1つ1つを声に出して行った。


テーブルの向こう側にあるドア。


そして、あたしの背中側にあるドア。


手足を拘束されたまま、あたしはなんとか上半身を起こした。


床はフローリングになっているけれど、冷たさは感じない。


バイト帰りにあれほど寒かったから、ここは暖房がきいているのかもしれない。
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