ジンクス
今日は大き目のお弁当箱だ。


もし健に『もっとちょうだい』と言われた時のために、お父さんが使っているお弁当を使う事にしたのだ。


それから10分後、見事なお弁当が完成していた。


「できた!」


お弁当を確認して、ホッと息を吐き出すと同時にそう呟いた。


いつも以上に時間がかかってしまって、もう7時半だ。


早めに起きていてよかった。


その代わり、お弁当箱の中にはキラキラと輝く料理を詰め込むことができた。


まるで宝石箱のように見えるそれに、思わず頬が緩む。


早く昼休みが来ないかな。


登校前だというのに、あたしはそんな事を考えたのだった。
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