ジンクス
「今日鞄重そうだな」


階段を上がっている時、不意に健がそう言ってきた。


「え? ぜ、全然平気だし」


慌ててそう言うが、健が手を伸ばしてあたしの鞄を持ち上げていた。


「お前の鞄なにが入ってんだよ」


そう言って開けようとするのを慌てて止めた。


「女の子の鞄の中を見るとか、サイテーだからね!」


あたしはそう言い、健から鞄を奪って教室へと走ったのだった。
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