ジンクス
ここまで距離が近くなったことだって初めてかもしれない。


さっきから心臓はうるさくて、健に聞こえてしまわないか不安だ。


「うん。よく似合う」


あたしの前に回ってネックレスを確認した健は、満足そうにそう言った。


「女の子にネックレスなんて送ったら、勘違いするんだよ?」


そう言うと、健はため息を吐き出してあたしを見た。


「前も言ったけど、ナツミが相手なら勘違いされてもかまわないし、勘違いじゃないかもしれない」


「どういう意味?」
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