ジンクス
あたしは慌ててそんな疑問をかき消した。


今こうして健があたしと一緒にいてくれている。


その幸せをしっかりと見ていないといけない。


「恋愛に興味はないの?」


2人で階段を上がりながら、あたしはそう聞いた。


「そうだなぁ。高校卒業するまではいいかなって思ってるけど」


健の言葉に思わず表情が歪む。


卒業してしまったら、健との距離が離れてしまうかもしれない。


それなのに高校在学中に恋愛する気がないなんて……。
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