ジンクス
☆☆☆

いつものように学校へ向かうと、健が後ろから声をかけてくれてあたしの鞄を持ってくれた。


「今日のお弁当はなに? すっげぇ楽しみなんだけど」


2人で教室までの道のりを歩きながら、健はそう聞いてくる。


「お昼までのお楽しみ」


あたしがそう言うと、健はいっそう嬉しそうに笑ってくれる。


あたしはそっと絆創膏を貼っている指先を撫でた。


今日のお弁当は特別だよ、健……。
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