ジンクス
2人でいることもあるけれど、いい雰囲気になったことも一度もない。


「いいこと教えてあげる」


杏が目をランランと輝かせてそう言って来た。


「いいこと?」


「そう。すっごく効果があるっていうジンクス」


「ちょっと、やめなよ」


花梨はそのジンクスの事を知っているようで、苦笑いを浮かべている。


「好きな人に自分の肉を食べさせると、両想いになれるんだって」


「……肉?」


あたしは杏の言葉に首を傾げた。
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