ジンクス

「美味しいよ。特にこの野菜炒め」


そう言って健はあたしの肉を箸でつまむ。


「肉がコリコリしてて俺好み」


口に入れて、飲みこむ。


健はニッコリとあたしへ向けてほほ笑む。


ジワリの胸の奥が熱くなる感じがした。


健があたしの体を食べている。


健の中で、あたしの肉が栄養になる。


まるで体を合わせているような、熱っぽい気分だった。