ジンクス
相手の人肉を食べると言う行為は、性交渉よりもよっぽど深い関係になれる気がする。


「今日もありがとう」


すべてを食べきった健がそう言った。


お弁当の中身は空になっていて、あたしはホッと息を吐き出す。


ようやく体の熱が冷めて来た。


と、同時に忘れていた足の痛みが襲って来た。


「痛っ」


小さく呟き、顔をしかめる。


「どうした?」


「足が……」


もしかしたら、また出血しているかもしれない。
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