あしたの星を待っている
「積極的だよね、先輩って。花菜のことが大好きオーラ全快だったよ」
「それ、未だに謎なんだけど」
「どういうこと?」
「先輩は、”部活を頑張っている姿を見て”とか言ってくれたけど、私そんな熱心に練習してたわけじゃないし、そもそも先輩と話したこともあんまりないんだよね」
どちらかというと地味な方で愛想だってよろしくない。
一方で先輩はその人柄からいつも人に囲まれていたし、手紙やプレゼントを贈って熱心にアピールする女の子だって大勢いたはずなのに。
「分かってないなー。モテる男ほど、自分になびかない女が気になるものなんだよ」
「そうなの?」
「それに、花菜さぁ。あんた自分で思っている以上に可愛いから。声を掛けたくても掛けられなかった男が結構いたと思うよ」
そんなの、知らないよ!
七海が変なことを言うから、顔が熱くなる。
お喋りをし過ぎたせいで授業の残り時間はあと5分となり、当然、書ききれなかった小論文は宿題となってしまった。
「書き終わった奴は提出しろー。できなかった者は今から回す用紙に名前を書くように。あと罰として1枚追加な」
「えー」
「明日になってもできてなかったら、さらに1枚」
「先生の鬼ー!」