あしたの星を待っている





「バイト先のカフェで記者と待ち合わせ?」


その連絡を貰ったのは、3日後のことだった。

お風呂あがりに部屋で髪を乾かしていると、またも瑠偉くんに窓を叩かれて、なぜか制服姿の彼を部屋に招き入れた。

学校に行っていたというけど、部活に入ってない彼が夏休みに登校するなんておかしい。と、思ったけど、すぐさま黒沢さんのことが頭をよぎった。

もしかして、今日もカウンセリングの付き添いをしてあげたのかな。


「花菜、聞いてるか」

「うん」


15時に待ち合わせでしょ、って答えると、大きく頷く。

どういう経緯で記者との約束を取り付けたのか気になるところだけど、そこは聞かないでおくことにした。

その代わり……。


「瑠偉くん、ラインのID教えて」

「あぁ、そうだな」

「えっと、どうやるんだっけ」

「相変わらず機械音痴だな、貸して」


スマホを取られる瞬間、指と指が触れた。

たったそれだけのことなのに、全身が心臓になったみたいにドキドキする。

思わず手を引っ込めた私に、瑠偉くんは申し訳なさそうな顔をした。


「ごめん、気を付ける」

「ううん」


違う、これは嫌なドキドキじゃない。

怖いとも違う。

じゃぁ、なに――?




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