あしたの星を待っている
「七海、あのさ……って、もうっ」
だけど、そのあと何度話しかけても、無視されるわ逃げられてわで。
あげく部活も先に行かれて、いい加減、腹が立ってきた。
私が悪かったにせよ、怒ってる理由とか、どうして欲しかったとか言ってくれてもいいじゃない。
先輩にしても七海にしても、肝心なことはいつも濁すの、やめてほしい。
「わー、荒れてんね」
放課後の教室、ひとり日誌を書いていると、帰ったはずの黒沢さんが戻って来て、私の席の前に座った。
彼女の指摘どおり、感情のまま書き入れた日誌の文字は荒れている。
「北野さんと喧嘩したんだって?」
「瑠偉くんから聞いたんだ」
黒沢さんは、今朝いなかった。
保健室に行っていたのか、単なる遅刻か知らないけれど、来たのはホームルームが終わる少し前だった。
「愚痴があるなら聞くけど」
「いい、これは私と七海の問題だから」
「そう? 夕里さんって柔軟そうに見えて意外と頑固だよね」
「よく言われる」
「葉山先輩とは? 話した?」
あぁ、そっちともこじれているんだった。
というか、元凶はこっちか。
「北山さんって、葉山先輩のことが好きなの?」
「七海が? まさか……」
「じゃぁ、どうして夕里さんの味方をしないのかな」