あしたの星を待っている


親友なんでしょ? 

っと、黒沢さんは小首をかしげる。

その言い方だと、七海は私でなく先輩の味方をしているということになる。

だから、先輩のことが好き。

って、短絡すぎるよ。


「七海はたぶん、別の人が好きだと思う」

「そうなの?」


ずっと聞きそびれているけど、その相手は恐らく瑠偉くん。

目線とか仕草とかで、何となくそう分かる。

私に打ち明けてくれないのは、私が瑠偉くんの幼馴染で、今はちょっと険悪な関係になってしまっているということを知っているから。

と、思っていたけど、違うのかな。


「じゃぁ、夕里さんは?」

「え」

「先輩のこと好き?」


開けっぱなしになっている窓から風が入り、彼女の黒い髪をさらさらと揺らした。

机に頬杖を付いてこちらを見つめる彼女の視線は鋭い。

先輩のこと好き? そんなの、もちろん……。


「答えられないんだ」

「黒沢さん、」

「前から変だなって思ってたの。夕里さん、先輩と一緒にいても全然嬉しそうじゃないし、無理して合わせてるって感じがすごくて。ねぇ、どうして付き合おうと思ったの?」

「それは、七海に勧められて」

「トラウマを克服するため?」




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