あしたの星を待っている
07.真実と、嘘と、友達
『ねぇ! 私のこと覚えてる?』
『あ、受験の時、一緒だったよね』
『そう、北野 七海』
『私は夕里 花菜。同じクラスだね、よろしくね』
『よろしく~花菜!』
明るくて元気いっぱい、新しいクラスでもすぐに中心的な存在となった七海と、マイペースな私。
対照的ではあるけど、すぐに仲良くなれた。
『部活、決めた?』
『まだ』
『じゃぁ、一緒にバスケしようよ!』
『でもやったことないし』
『大丈夫! 未経験でも楽しいよ。私が教えてあげる!』
『ほんと? じゃぁやってみようかな。七海がいるなら心強いし』
七海と一緒だと何だって楽しくて、いつも半歩先行く彼女を追いかけていた。
甘え過ぎていたかな。
七海があんな風に思ってたなんて、知らなかった。
「ちょっとー、いい加減、そのどんよりした空気を止めてよ」
こっちが滅入るわ、って黒沢さんがため息をつく。
それでなくても9月特有の台風が頻発するこの時期、空に浮かぶどす黒くなった雲が重そうで、私も心もまさにあんな感じ。
と言えば、中2かよ、と突っ込まれた。
「さっさと終わらせて帰ろ」
「はぁ、でもなかなか手掛かりがないね」
「ミサンガは? 先輩の確かめた?」
「ううん、まだ」