あしたの星を待っている
良かった、みんながいてくれて。
お陰で何とか無事に帰ってこれたし、証拠品となるデータのコピーも取ってくれた。
これで、あとは……。
「あっ!」
「なに、どうした?」
「そういや、先輩はどうなったの」
そうだ、そうだよ。
みんなの顔を見て安心したのと、無事戻ってこれた嬉しさでうっかり忘れそうになっていたけど、あのあと先輩は? 私が気を失っている間にどうなった?
瑠偉くんたちはお互いに顔を見合わせ、今言うべきか迷っているようだったけど、やがて黒沢さんがうん、と頷いた。
「たぶん、警察だと思う」
「捕まったの?」
「夕里さんが倒れたあと救急車を呼んだら、消防から警察に連絡が入ったみたいで警官が来たの。で、家の中で何があったか聞かれてると思うけど、捕まるまではいかないかな」
「どうせ親父がもみ消すだろうしな」
中津くんが吐き捨てるように言う。
そっか、あの程度じゃせいぜい事情聴取ってだけか。
「私が被害届を出せば、捜査してもらえるかな」
「花菜?」
「睡眠薬を飲まされたの。それって犯罪でしょ? 診断書が出るかあとで先生に聞いてみる。それから、中津くんの言ってた証拠品を見つけたんだ。これで――」
「もういいやめろ」