あしたの星を待っている


「頼むから、無理とか言わないで」

「先輩……」

「ずっと好きだったんだ、やっと言えたんだ。まだ何も分かり合えていないのに、終わりにしたくない」


先輩も震えてる?

切羽詰まったような声に胸の奥がギュッとする。

いつも余裕があってカッコ良くて、何事もスマートにこなす人なのに、私の言動1つにこんなにも必死になってくれている。

ちゃんと向き合わなきゃ罰が当たるよね。


「私も……先輩のこともっと知りたいです」

「花菜?」

「ちゃんとした彼女になりたいです」

「良かった、ありがとう」


まずは、この距離感に慣れなくては。

でも荒治療のおかげがだんだん平気になってきた……気がする。

だらんと下ろしていた手をゆっくりあげて先輩の腰の当たりと掴むと、頭頂部に先輩の顔が当たる感じがした。


「好きだよ、花菜」

「私も……」

「無理に言わなくていいよ。でも、いつか必ず心から俺のことが好きだって言わせてみせるからね」




優しい先輩、ストレートに想いぶつけてくれた先輩。

ゆっくり体を離し、にっこり微笑む。

先輩に愛されて私のトラウマは消えるはずだった。







「どっちみち初めから逃がす気ないけどね」



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