あしたの星を待っている


余計、分からないよ。

物好きって先輩が? 私が? どっちにしても瑠偉くんに言われる筋合いはないし、とっても失礼な発言だと思う。というか、感じ悪い。

見た目も変わったけど、中身も変わったよね。

やっぱり、友達のせいかな?

なんて、私が言うのも筋違いの失礼かな。


「瑠偉くん、お待たせしてごめんなさいね」

「いえ、ご馳走様です」


結局、お母さんがお皿を見つけたのは瑠偉くんが家に戻ろうとしていた頃で、冷え切った料理はすぐに温めて食べれるようタッパに詰めた。


「また、食べに来てちょうだいね」

「おやすみなさい」


私の初恋は、たぶん瑠偉くん。

楽しい事や嬉しい事、珍しいものや、変わったもの、辛い気持ちも、苦しい想いも、日常に起こる変化のすべて伝えたいと思う相手だった。

そして、それは瑠偉くんも同じだと思っていた。

”物好きだなって思って”

中学3年の夏、私は誰かに襲われた。

あの日を境に、瑠偉くんは冷たくなってしまった。


私のこと、汚いと思っているのかな。

嫌いになったのかな。





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