あしたの星を待っている





「告白された!?」

「声大きいってば、七海!」

「先輩、まさかのマジで花菜のこと好きだったんだね! おめでとう」


まさかのマジで、ってことは、やっぱり面白半分で言っていたのか。

昇降口で待っていてくれた七海にさっきの出来事を話すと、彼女は嬉しそうに手を叩きながらくるりとその場で回った。

ふわりと甘い匂いがする。


「まだ、おめでとうじゃないよ。どうするか決めてない」

「えー! どうして? あの葉山先輩だよ? 断る理由ないでしょ!」

「そうは言っても、私は先輩のこと好きってわけじゃないし」

「花菜~、まだ例のトラウマ引きずっているの?」

「……うん」

「ねぇ、気持ちは分かるけど、いつまでもそんなんじゃ一生彼氏できないよ? 大丈夫だって、先輩すっごく優しいし、上手くリードしてくれるって。花菜の男性恐怖症も治してくれるよ! それにさ、」

「それに?」

「花菜が充実した高校生活を送っている方が、お母さんだって安心するんじゃない?」


確かにそうかもしれないけどさ、と唇を尖らす。

すると、七海は手で私の両頬を挟んで「タコちゃん」と笑った。



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