あしたの星を待っている
「別に無理強いして聞くつもりはない。君が1年生の時もそう思っていたけど、そもそもやり方を間違えてしまったみたいで悪かったな」
「そんな、先生は悪くないです」
「だが、君にとって異性と2人っきりになること自体、苦痛なんだろ」
「今は少し大丈夫になりました」
「お、進歩したんだな」
えらい、えらい、と先生は笑う。
優しくて理解があって生徒1人1人に向き合ってくれる。
人気があるの、分かるなぁ。
そんな先生の厚意を、無下に扱ってしまった過去の自分が恥ずかしくて情けない。
私は一体どれほど、周りに迷惑を掛ければ……、
「ほら、またひとりで考え込む」
「あっ、えっと」
「君はもっと周りに甘えることを覚えた方がいい。自分の気持ちを声に出すことは勇気のいることかもしれないが、理解してくれる人は必ずいるはずだよ」
「先生……」
「助けを求める声をあげないと、誰も気づいてくれないよ」
どうしようもなく、泣きたい気持ちになった。
というか、既に泣いていた。
膝に顔を埋めさめざめと泣きだした私に、先生はなぜか慌てて。
「僕が泣かしたみたいになるから! 人が来る前に泣き止んで!」
急いでティッシュを渡してくるから思わず笑って、また泣いた。