あしたの星を待っている
乗り越えたいに、決まっている。
自分のことなのに、自分が知らなくて、不安で、怯えながら過ごすなんて、もうたくさん。たくさんなんだよ……!
「答えは出ているようだね」
「はい」
「思う様にやりなさい。それでまた傷ついたなら僕のところにおいで。いくらでも話を聞いてあげるからね」
「先生……」
「それに君には、君を大切に思ってくれている人がいる。そのことを忘れなければ、今後1人で苦しむことも悲しむこともないはずだよ。いっぱい頼っていっぱい甘えるんだ、いいね?」
いっぱい甘える……。
以前にも先生に言われたことだ。
「それからもう1つ。自分のためにと思うと尻ごみしてしまうことも、誰かのためにと思えば頑張れるものなんだよ」
「誰かのために、ですか」
「君の場合で言うと、これ以上、被害者を増やさないために、とか。以前の自分に戻って大切な人を安心させてあげたい、とかかな」
そっか、なるほど!
それなら頑張れそうな気がする。
大きく頷いた私に、先生は優しく微笑み、「おいでおいで」とナイショ話をするように手招きをした。