幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
HRの間も、

奏のことが忘れられなくて、

先生の話なんてまともに聞けなかった。


まぁ、普段から奏のこと考えてるし、

先生の話なんて聞いてないんだけど。


奏に、彼女か…。

とうとう、彼女ができてしまった…。


今までよりもっと、

奏が遠いところに行っちゃったな…。


どうやったら奏に手が届く?

どうやったら、彼に私の想いは届く?


もう、やめにしたい。

こんな苦しいの、嫌だ。


恋って、こんなに “嫌だ” って思うものだったの?

もっと甘くて、毎日 “楽しい” って思えるようなものだと思ってた…。


どうせなら、

いっそこの想いを消すために、

誰かと付き合おうか…。

そうしたら、

この想いを、忘れられる…。


でも、それは、相手に失礼かな…?



そんなことを考えると、

一時間目の5分前を知らせるチャイムが

鳴り響いた。


一時間目は、理科。

しょっぱなから理科とか、だるっ…。


(あ、移動教室か。

もう行かないとやばいよね)


奏のことを考えていたから

ずっと気づかなかったけれど、

教室には、私を含めて4、5人しかいなかった。


私は急いで準備をすると、

教室を出て、足早に廊下を歩いた。



授業中も、昼休みも、

私はずっと奏のことが忘れられなかった。
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