幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
伏し目がちに目をそらした青年の顔----。


目に強く焼き付いて、離れない。


(晴翔、どうしてあんなに

顔赤くしてたんだろ…)


私は家の自室で部屋着に着替えたあと、

そんなことを思う。


晴翔の表情を見て、

心臓が高鳴るのを感じた自分が、

醜いと思う。


私は、奏のことが好きなのに、

奏より晴翔の方がいいんじゃないか、

とか思って、

晴翔の表情にドキドキして…。


醜い。


でも…。


晴翔は、かなりの美形だし、

私がドキドキしても仕方ないんじゃないか、

とか思ったりする。


奏といる時の、

甘い鼓動と言うよりは、

私じゃない何か他のものから発せられる

熱いものを感じて…。


そういうドキドキというか…。


無責任なことを言うと、

自分でもよくわからない。


でも、

奏より晴翔の方がいいのかもしれない、

と思ってからは、

なんだか前より晴翔のことを

“異性” として意識している気がする。
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