幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
次の日。


私はHRが始まる前に、

晴翔の教室に行く。


晴翔の好きな人は、誰なのか。

誰が一番晴翔は好きになりそうなのか。

それを調べるために、

私は今日この教室に来た。


扉をあけて、中を覗く。


とびっきり可愛い人…。

いないな。


私がそんな失礼なことを思っていると。


「ごめん。ちょっと、そこ、いい?」


後ろから聞こえてきた、

高くて透き通るような、綺麗で可憐な声。


「あ、ごめん…」


私はそう言いながら、振り向き、

道を開けようとすると。


(や、やば…)


私は彼女の姿を見て目を丸くする。


(可愛くて、美人だぁ…)


彼女の瞳は大きくて丸く、

くっきりと二重になっていて、

可憐な印象を受ける。

肌は雪のように白く、

体のライン、そして腕、指先までも

細く美しいラインを描いている。

脚は体の4分の3ほどあるのではないか、

と思うほど長く、細い。

腰まで伸びた長い髪の毛は、

サラサラで、艶がある。


その姿はまさに、そう。

お人形のよう。


名札を見ると、

【1-4 西野】

と書かれていた。


晴翔のクラスの人じゃん…。

じゃあ、晴翔、この人のこと…。


(って、西野?もしかして…!)


「ねぇ、晴翔」

「あ、桃果。どした?」


私は晴翔の席に行くと、

まくしたててこう尋ねた。


「もしかしてさ、

このクラスの西野さんって、

あのモデルやってる西野さん⁉︎」

「あぁ、うん。そうだよ。

今日は学校来てるみたい。

どうして?」

「あ、いや、

今西野さん見て、すごく綺麗だな、

って思って…。気になっただけ」


私は微笑んでそう言った。


キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った。

HRの5分前を知らせるチャイムだ。


(いつもチャイムって、

会話が終わった時に鳴るな)


そう思って私が少し笑っていると、


「桃果。

もうそろそろ帰った方が

いいんじゃないか?」


って、晴翔に言われた。


「あ、うん!じゃあね!」

「ん」


そんな会話をして私は晴翔の教室を出た。



(西野さん、晴翔のクラスだったんだ…)


あんな美人な人がいたら、

晴翔、西野さんのこと好きになるよね…。


私はそんなことを考えながら、

今日のHRを過ごした。
< 22 / 62 >

この作品をシェア

pagetop