幼なじみとの恋は波乱で。(仮)

恋空 〜曇り〜

【桃果 side】


「桃果!」


私を呼ぶ声がする。


今まで何度も聞いてきた声。


声のする方を振り向かなくたって、

誰が呼んだかなんて、

すぐにわかる。


----晴翔だ。


私は、声のした方を振り向く。

やっぱり。


「晴翔…」


晴翔は、

あからさまにワクワクした表情を見せる。


「も、桃果!

落ち着いて、聞いてくれよ?」


まずは晴翔が落ち着け。


「う、うん…」


一体これから何が始まるんだか。


「あ、あ、あのな…!?」

「……」


だから落ち着け、晴翔。


そんな私の思いが届いたのか、

晴翔は、一回深呼吸をした。
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