幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
「月島さん?」


先生に名前を呼ばれ、

反射的に「はい」と返事をする。


「よろしくね?」

「は、はい!……え?」

「え、話、聞いてた?」

「あ、すみません。

聞いてませんでした…」


私がそう言った瞬間、

クラスにドッと笑いが生まれる。


「今日の放課後、

このプリントまとめといてね?」


先生が指差す方向には、

プリントが山積みになっている。


「どうして私が…」


私がため息混じりにつぶやいた一言に、

先生は盛大にため息をしてから言う。


「なぜか。

その理由は、今日あなたが日直だからよ」

「え!?」


そう言うと、

クラスに再び笑いが舞い降りた。


「もう、よろしくね? ----あ、月島さん」

「はい!」

「HRとか授業の時は、

ちゃんと話を聞くように。

わかった?」

「……はい」

「それじゃあこれでHRを終わります」


先生のその一声で、

クラスは緊張から解き放たれた。
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