幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
そういえば、晴翔の好きな人って、

結局誰だったんだろ……。


家に着き、自室に入って着替えた後、

そんなことを思う。


晴翔と千田さんが付き合い始めた、

ってことは

晴翔の好きな人は千田さんだった、

ってこと?



ドクンッ…。


心臓が気味悪く音を立てる。


なんだか、モヤモヤする。


何これ。


あ、晴翔の好きな人が気になるのか。

だからモヤモヤするのか。


メールで聞いてみよう。

そう思って、私はスマホを手に取り、

晴翔にメールを送った。



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To : 晴翔
Sub :
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ねぇ、晴翔。

こないだ
晴翔の好きな人の話したじゃん。

あれ、今思ったんだけど、
晴翔の好きな人って、
千田さんだった、ってこと?
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これで、モヤモヤは消える…はず。


晴翔からの返信はすぐにきた。



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From : 晴翔
Sub : Re :
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うん、そうだよ。
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短いメールだった。


晴翔の好きな人は、千田さん。


その事実だけを突きつけられる。


(一個 笑 くらいつけてもいいじゃん)


そんな無機質なメール…。


なんか、傷つく。


悲しい。


それはきっと、晴翔が “幼馴染” として、

かけがえのない存在だから。


きっと、きっと…。


自室の窓から見える空は、

少し曇っていた。
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