幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
人目のつかないところまでくると、

俺は夕夏の腕を離す。


「ごめん、うるさいから」

「ふふっ。奏ってモテモテなんだね?」

「イヤミ?」

「いや?そんなんじゃないよ。………。

……奏、かっこいいもんね」

「いや……」


なんだか恥ずかしい。

これを “恋” というのか?

それとも……。


「ってか、なんか用あったんだよね?

どしたの?」

「あ、いや、

ただ単に会って話したかっただけで…。

なんかごめん」

「いや、全然大丈夫」


どうして夕夏が謝るのか。

むしろ…、


「むしろ、俺の方がごめん。

こんなところにいきなり連れて来て…」

「ううん。………帰ろっか」

「うん」


そうして、俺と夕夏は、肩を並べて

教室へと歩き始めた。
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