幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
東京の都心部にある大きなビル。
その10階から13階までが、
私が専属モデルを務める『twins (ツインズ)』
を出版している会社のフロアだ。
「瑠璃ー」
「あ、今野(こんの)ちゃん!」
私が言った “今野ちゃん” とは、
私のマネージャー。
本名は 今野 真紀(まき)。
タレントとマネージャーという
関係を忘れるくらいに、
私と今野ちゃんは仲が良い。
もちろん、恋バナだってする。
今日も今野ちゃんはビルの前に立って
私を待ってくれていたらしい。
「ちょっと今日早かったね」
「んー、たまたまじゃない?」
「そっか」
今野ちゃんは優しく微笑む。
私はこの今野ちゃんの微笑みが好きだ。
優しくて、心が温かくなる。
「とりあえず、中に入ろっか」
「うん!」
私たちはビルに入り、
エレベーターを使って10階まで上がった。