恋の名前

｢はい、じゃあゼミ事に分かれて座ってねー｣

先生の指示で一斉に生徒達が動く

｢やった！花菜ちゃんと同じ！｣

｢ほんとだ！！｣

よかったあ..

私は運良く花菜ちゃんと同じゼミになることが出来た。

それにしても、このゼミイケメン多い！
これは楽しそうな1年になりそう...！

｢あ、ここって伊藤ゼミ？｣

｢え。｣

えぇ....さっきの男の子....同じゼミなの...？

期待したのに..
こうゆうチャラチャラしてる男の子は怖いから関わりたくないんだよなあ...

私の前に座った彼はクールで表情もあまり変わらなくて同じゼミの男の子ともあんまり喋らない人だった。

喋りかけんなオーラがすごいよ...

｢はい、では自分の名前が書いてある冊子を出してください｣

ちょっと髪の毛の退化が始まってる先生がマイクを使ってこれでもかと言うくらい大きい声で話し始めた。

これは..強烈..

はぁーっと溜息をつきながら視線を落とすとふと彼が視界に入った。

あ、そういえば名前なんていうんだろ..

ちらっと彼の冊子を見た。

｢桜井 光稀｣(さくらい みずき)