私の失恋の行き着く先は…No.1
ポカーンとしていた私に助け船をだしてくれたのは片桐秘書室長だった。
「蓉子さん、今は仕事中ですよ?それに相原さんは困ってますよ?」
「それはごめんなさいね。でも片桐さんもそう思いません?それでね、もし彼氏がいないなら紹介したい人がいてね。どうかな、ゆずきちゃん?」
室長は諦めたのか、苦笑いしている。
どうやら蓉子さんはこの話を進める気でいるらしい。
私は意を決して重い口を開いた。
「申し訳ありません。私は誰とも恋愛する気はないんです」
「えっ!?」
蓉子さんだけでなく、室長も目を見開いて驚いている。
「な、なんで?」
「裏切られて傷つくのは二度と御免です。だから私はこの先一生、誰かを好きになることも愛することもしないと決めました」