私の失恋の行き着く先は…No.1
「全く、いい歳した大人がすることじゃないでしょ」
蓉子さんは専務相手に容赦なくぴしゃりと言い放った。
「それにしても彼女は優秀だよ。蓉子だってわかってるだろ?」
「そりゃあ、私の大事な部下だもの」
えーっと、もしかしてこの二人って…。
「ゆずきちゃん、びっくりした?これ、私の旦那様」
蓉子さんは専務をこれ呼ばわりして、ゲラゲラと笑っている。
美人はゲラゲラと笑っても、やはり美人だ。
「蓉子さんにはいつもお世話になっております。まだ右も左もわからない未熟者ですが、よろしくお願いいたします」