私の失恋の行き着く先は…No.1
この場から逃げたい。
そう思うのに足が動かない。
彼と目が合った。
端正な顔立ちは少しも変わらない。
上質なスーツを着こなし、颯爽と歩く姿はまさに仕事の出来るエリートサラリーマン。
そんな彼の目は見開き、驚きの表情で小走りで近づいてきた。
「ゆずき!?」
久しぶりに聞いた懐かしい声は、私の心をより一層悲しくさせる。
彼に名前を呼ばれることがあんなに嬉しかったのに。
今の私に、これ以上彼を見ることは耐えられない。
かといって、ちっとも足が動かない。