私の失恋の行き着く先は…No.1
振り返ると、真剣な表情をした彼と目が合った。
さっきから心臓の音が煩い。
なんで!?
どうして!?
「あ、あの…、は、離してください…」
「離さない」
きっぱり断言されてしまった。
「えーっと…」
「これ以上逃げられるわけにはいかないから離さない」
逃げますとも!
それはもう、全力で逃げ出しますとも!
「斎藤部長、健闘を祈るよ」
「ゆずきちゃん、お疲れ様~」
ちょっと待って!
この状況で私を置いていかないで!
目で訴えても素知らぬフリを通され、蓉子さんと専務は行ってしまった。