私の失恋の行き着く先は…No.1
覚えてくれていたんだ。
嬉しいと思ってしまいそうになって、慌ててその気持ちを打ち消した。
ダメだ、ダメ。
そんなふうに思ってはダメなんだ。
だって私たちはもう終わってる。
「あの時…」
きっと半年前のことを話そうとしているのだろう。
私はなにも聞きたくないし、知りたくもない。
「私、帰ります」
立ち上がってバッグを掴み、個室を出ようとしたところで、背後から抱き締められた。
「帰さない」
耳元で言われ、胸がドキンとした。
「そんなこと言われても困ります。私たちはもう終わってる…」
「終わってなんかない!」
身体がビクンと震えた。