私の失恋の行き着く先は…No.1


ようやく解放されるとホッとしたのも束の間、タイミング悪いというか、なんというか…。

「失礼します」

そう言って秘書室に入ってきた人物に全員の視線が集まる。

「経営戦略部の斎藤です。本日よりよろしくお願いいたします」

いつ見ても彼はスーツ姿がよく似合う。

なんて、のろけてる場合じゃない!

「あらあら、これはこれは斎藤部長!」

蓉子さん、なんだかわざとらしいんですけど。

「ゆずき、顔が赤いけど?」

「な、なっ…」

余裕たっぷりの彼とは正反対に、私はコイみたいに口をパクパクさせてひとり慌てている。

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