私の失恋の行き着く先は…No.1
「さすがは斎藤部長。仕事が早くて出来る男は違いますね~」
「なんのことでしょう?まぁ、変な虫がつかないように対策したまでですよ。いずれ、ちゃんとした形にするつもりですが、他部署を見て回った感じでは既に社内公認のようですので、まずは大丈夫でしょう」
蓉子さんとなにやらよくわからない会話をしている。
そんな彼は私の近くにやって来て、こっそり耳打ちした。
「キスマーク、見えるところに付けて正解だったな」
「はっ!?」
な、なに言ってるの!?
っていうか、正解ってなに!?
全然意味がわからない~!
「ゆずきのこと、よろしくお願いいたします。それでは失礼します」
颯爽と去っていく彼の後ろ姿をただ呆然と見送るしかなかった。