終わりなき戦に花束を
「翡翠ちゃんどこに行ったのか心当たりありませんか?」


「いや、ありやせんね。今日対面したばっかなもんで」

小雪は

「そうですか・・・」

と言ったきり口を閉じてしまう。


すでに、探し始めて三十分がたとうとしていた。

「屯所からそう遠くは行ってねぇはずでさァ」

「え?どうしてそう言えるんですか?」

「まだあいつは江戸に来たばかりらしい。知らねぇ所に行く気はねぇはずでィ」


小雪は少し安心したのは息をつく。



その時、

「・・・あ」


小雪が指差した先には、見慣れない着物を着たフードの女が歩いていた。

こちら側に向かって歩いてきている。


「翠ちゃん?」

小雪が近づき声をかける。
顔を上げたその顔は、確かに翡翠だった。

「・・・はい」

「どこに行ってたの?近藤さんが心配してたよ、帰ろう?」


翡翠は、少しの間の後、はい、と小さく返事をする。
こうして、ひとまず翡翠は発見されたのだった。

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