終わりなき戦に花束を
二束
総悟side

「見つかってよかったよ、翠ちゃん」

「・・・はい」


さっきから、はい、としか喋らない少女、翡翠。
俺は翡翠を見つめ、翡翠のフードに手を伸ばす。

翡翠は俺が何をしようとしているのかわかったようで、俺の手を払いのけた。


「人と話す時ぐらい取るべきだろ、それ」


「・・・・・・私、お風呂行ってきます」

翡翠は一瞬俺の言葉に驚いたが、すぐ無表情に戻り部屋から出て行った。

「あっ、翠ちゃん!私も一緒に・・・すいません、お風呂いただきます」


小雪は俺達に小さく頭を下げると翡翠の後を追いかけていった。


俺は、麩を閉めると、近藤さんの方へ向き直る。
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