終わりなき戦に花束を
三束
「あ、見回りの時間だ」

時計を見た小雪は呟き、ゆっくりと腰を上げる。

小雪は翡翠と二人で見回りをすることになっていた。
しかし、朝食後、翡翠が部屋から出てくる気配はない。

仕方がないので一人で行こうと部屋を出たとき、

「すいませーん」

外からだろうか、声が聞こえた。


「(真選組に用があるのかな?)」

外へ出ると、門のすぐそばで一人の男が立っているのが見えた。

そしてその男を見た瞬間、小雪は目を見開いた。



「ッ!」

急いで玄関へ入り、後ろ手で扉を閉める。

「なん、で」


違う、見間違いだ。

もう一度扉を開けると、男はもういなくなっていた。





「なんでッ…バレてるの…?」




小雪は拳を握りしめる。

ふっと息を吐いて、目を閉じた後、小雪はまた扉を開けた。
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