終わりなき戦に花束を
「ふぅ…」

湯船に浸かりながら、翡翠はゆっくり息を吐く。

この真選組は女人禁制だったらしいので、タイミングを見計らって入らないといけない。

やっとさっき男たちがいなくなったので、ゆっくり入れる。

「攘夷志士…かぁ…」

攘夷志士といえば、桂小太郎という男を思い描く。

近藤が、仕事の合間、翡翠にいろいろと教えてくれたのだ。

攘夷志士のこと、天人のこと…

「…頑張らなきゃ」

攘夷志士一人ひとりはともかく、数が多ければ手こずるだろう。


少しでもいい、役に立ちたい。

翡翠は自分の右腕を伸ばす。
人よりも白くて透き通った肌が湯をはじく。

「…よしっ…」


伸ばしていた腕を戻し、翡翠は湯船から立ち上がった。


ガラッ



「…あ」
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