終わりなき戦に花束を
目の前に立っている栗色の髪の男。

翡翠は何が起こったかわからず、立ち止まっていた。

―――今前に立っているのは男で


―――私は今湯船から出たところで


―――あれ、私お風呂に…



「み…」


「み?」






「見るなぁぁぁぁっ!」

ゴッ

「ぐはっ!」

手近にあった桶を投げると、見事に総悟の顔にクリーンヒットした。

「最低ッ…!」

急いで出ようとする―――が、

突然右手首がなにかに抑えられた。


「は、離せッ!」


「桶投げつけといてなんでィその態度」

総悟の手はしっかり翡翠の手首を掴んでいて。


「とりあえず離せッ…!」

翡翠は今、体にタオルを巻いただけの状態。

総悟も腰にタオルは巻いているが、それよりも…


どこを見ればいいのかわからない。


翡翠は真っ赤になって総悟から目を逸らした。

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