終わりなき戦に花束を

翡翠は目のやり場に困り、総悟の手を振り払おうとする。


「あれ、逃げるんですかィ?翡翠ちゃん?」

確実にからかっている。

翡翠はふるふると震えていた。
が、突然顔を上げて翡翠の手首をつかむ総悟の手をもう片方の手で握る。

総悟の手を弱めに握り、

「離して…」

と呟く。

弱々しいかすれた声に反応したのか、総悟の手が緩められる。


そう、その瞬間



ガンッ!!

「痛ってぇ!」

翡翠はいつの間にか持っていた桶で総悟の頭を叩いた。

総悟は手を離し、頭を抑える。


「気安く私に触れるな…!」


翡翠は噛み付くように言うと、総悟を浴室へ強引に押入れ、脱衣所の扉を閉めた。






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